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第18話

私は家の中を探し回り、2階の寝室で凛を見つけた。

彼は酒の匂いが漂い、ベッドの縁にだらしなく座っていた。手にはワインボトルを握りしめ、写真立てを抱えていた。シャツのボタンが半分外れて、白く引き締まった胸が露わになっていた。

私はワインボトルを取ろうと手を伸ばした。彼は手を離した。

しかし、私が写真立てを取ろうとすると、彼はすぐに目を覚まし、黒く深い瞳で私をじっと見つめた。目には酒に酔ったぼんやりとした光が宿っていた。

「触るな」彼の声には少しのかすれがあった。

彼がそう言うと、私は好奇心が湧き、笑いながら尋ねた。「見せてくれない?」

「見せない」彼の眉が険しくなった。

彼がそれほど頑固に反対するので、私はそれ以上説得せず、彼を支えて立たせ、ベッドに横たわらせた。その後、私は外に出て、水を持ってきた。

彼が水を飲んでいる間に、私は写真立てを開いてみた。

そこには私が彼にキスしている時の写真が入っていた。

これがそんなに大切なものなのか?

「凛、どうしてこんなに酔っているの?君らしくないわ」私の声は突然冷たくなり、飲んでいる凛を見ながら尋ねた。

彼の喉仏が動き、目線はずっと私の顔に向けられていた。

私は一瞬戸惑った。

彼の瞳の熱く深い感情を理解した。

彼は視線を戻し、コップを置き、写真立てを引き出しにしまった。目つきは再び冷たく厳しくなって、低い声で言った。「記憶を取り戻したと聞いたが、それなら俺が君の彼氏じゃないことも思い出したよな?」

私はしばらく黙っていた。

どうやって彼に私が記憶を失ってないことを伝えればよいか分からなかった。

「今は新井陽翔と一緒にいるべきだと思うんだけど」彼は頭を下げ、声をかなり低くして言った。

「実は……記憶は失っていなかった、ごめん、あなたを利用してしまったの」私は目に罪悪感を浮かべながら言った。

凛は一瞬驚いた。

「今日来たのは、全部打ち明けるためだったの。実は最初はただあなたの名前を利用しようと思っていただけだったのに、あなたを巻き込んでしまい、怪我をさせてしまった」私は彼を見ずに、頭を下げた。

「それで……君は新井陽翔と別れたのか?」凛が尋ねた。

私は彼を見上げた。

「彼が私を海に突
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